Monday, 10 August 2015

まだ生きているのかといはれ 死ぬる春...



よしや頼まじ 行く水の 早くも変はる人の心


わびぬれば 身を浮き草の 根をたえて 誘ふ水あらば いなむとぞ思う


見渡せば 花ももみぢも なかりけり 浦のとま屋の 秋の夕暮れ


大海の磯もとどろによする波 われてくだけてさけてちるかも    
    

老いらくは 雪のうちにぞ 思ひ知る 訪ふ人もなし 行く方もなし


残りなく 散るぞめでたき 桜花 ありて世の中 果ての憂ければ 


山里は 冬ぞさびしさ まさりける 人めも草も かれぬと思へば


心から 心にものを 思はせて 身を苦しむる わが身なりけり 


しみじみと この人生を 厭(いと)ひけり けふ(今日)此頃(このごろ) の 冬の日のごと


世をはなれ 人を忘れて 我はただ 己(おの)が心の 奥底にすむ


人訪はぬ 庭も我が身も 垢つきて 苔むしけりな ものぐさの庵 ・・・・




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