Monday, 17 August 2015

笑顔。。。

『昔、「笑顔は美しい」と、思い込んでいました。「つらいことがあっても、微笑を忘れず、人の心をあたためる笑顔で暮らすのが美徳なのだ」と、とくに「女は笑顔よしがいい」と教えられてきましたから。そして、「人間だけが笑うことのできる存在」などと思い込んでいたのです。
ところが三十年年ほど前、気骨に満ちた八十歳近い男性が、好意のお便りをくださって、
その中に、こう書いてありました。

~あなたは「微笑・笑顔の美徳」を書かれていますが、小生は、人間の笑顔ほど、虚偽に満ちたも のはないと思います。写真を撮られる時、いつも、今度こそ微笑もうと思うのですが、
さてとなると、本当に微笑めることがあるかと自問自答して、どうしても笑顔になれないのです。
言うならばその笑みの演出も、「人間の文化」の「虚偽の美」と言えるかもしれませんが。~

けれど、そのすがすがしいご指摘によって、わたくしは自分の卑屈を視ることができました。
お蔭で、「笑わないですむこと」「笑ってはならないこと」に、笑ういやしさを知りました。
もともと、人によく思われたくて笑っていた」わが恥を、ありがたくもおしえてもらえたのです。』



岡部伊都子

http://plaza.rakuten.co.jp/poboh/diary/200805290000/