Sunday 12 January 2014

隠花植物

今住んでいる街の銀杏並木の葉が、路面に、道端に停められている自転車の上に、黄色いペンキを一面に撒いたように散り敷いていたのがまるで昨日のことのようです。

今はイチョウも、サクラも、ケヤキも、すっかり葉を落として、薄暗い冬空に繊細な細い枝を伸ばしています。
「裸木。木の本来の姿」といったのは、年配の、詩の好きな友人でした。

彼女自身が、葉を落とした裸木のように繊細な、これ以上ないくらいに繊細な人でした。

「隠花植物」。。。最近読んでいた本の中にふと懐かしく、珍しい言葉を見つけました。
わたしは何故かこの「日蔭を好む」植物の在りように惹かれます。

歌で言うなら、鶴田浩二さんの「傷だらけの人生」かな。

「まっぴらごめんと 大手を振って
 歩きたいけど 歩けない
 いやだ いやです お天道様よ
 日蔭育ちの 泣き所
 まぶしすぎます おいらには」

でしたっけ。。。

晴れがましいことが好きな人、そういうことに抵抗なく馴染んでしまえる人よりも、隠花植物のような人が好きです。
だからアメリカ映画よりもヨーロッパ映画が好きで、
印象派よりもバロックが好きなのかもしれません。

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